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アジアの黄昏 −ミャンマー旅行記− 2

第 三 日 目 <ヤンゴン→マンダレー(ミングォン、マンダレーヒル)>

バスは快適だったが、3度の食事付き休憩に起こされ、かなり寝不足気味の私、着いた途端に客引き20人に囲まれ、一躍人気者の俺、そして頭のうつろなオレは、バス会社のパスをつけた兄ちゃんに連れられ、強引に市内のE,T Guest Houseへ、まあ値段もそこそこ、探すのも面倒なので、泊まる事に($4)、ホテルのおっちゃんにマンダレーの事をいろいろ聞いているうちに、まずミングォンという町まで、船で行く事に。ホテルの前に居た、気さくなサイカーのアンチャンと交渉してサイカーで船着き場までいき、朝9時発の船(2way 200K)で出発。

船着き場から出るとすぐに、イラワジー川の左右には、ミャンマーのどこにでもある田舎の田園風景が延々と続く、まさにアジアの黄昏! こんな風景他のアジア諸国ではもうそうは見られない!

約一時間でミングォンに到着、するとそこにまた大量の客引きが、でも俺はミャンマー人ぽいので向こうもけげんそーに見ているだけ。これをなんとか振り切り、ツーリストチェックもパス、道を進んでいくと目の前にミングォンパゴダが、これはかの有名なボードーパヤー王が、世界一のパゴダを造ろうとした跡、でもその巨大な遺跡はそれでも周囲を圧倒している。そしてここはさらに頂上まで登る事が出来、上に出るとそこは別天地、河の左右に広がる広大な大地、それは遠くマンダレーまで見渡す事が出来る。本当にミャンマーの景色は美しい! その素晴らしさはここに来て見た者しか分からない。まだ人手の入らない自然、その自然と見事に調和したパゴダ。本当に来てよかったと思った。写真だと分かりずらいですが、右に見えるのがエーヤワディ川です。

なんやかんだで、一時に船に乗り、2時すぎに宿に戻る。3時すぎには自転車を借りて市内観光へ。まず王宮に面した通りをぐるりと廻る。王宮はめちゃくちゃ広い!一辺4、5キロはアリソー。もう死の形相でなんとか王宮入り口へ、後で気付いたが、入り口にはツーリストコントロールがあり、$3取られるそうだが、私は素通りし、王宮内部へ、しかし王宮の城壁の中には何の変哲もない町が広がっていた。がくーーん。一応中心までいくと王宮らしき建物が、ふらふら入ると係員に止められた。最初ミャンマー語で聞かれたが、英語であなたは外国人かと聞かれた、そうだと言うとチケットを見せてくれと言う。何のことだか解らず、知らん振りしていると、パスポートナンバーを教えろと言ってくる。直感でこれはヤバイーと思い、速攻バイバイ、と言って逃げ出した。王宮に入るにはさらに$2かかり、門での入場券が無いと入れないらしい。ちなみにここはミャンマー国民もIDカードの提示と入場料を取られるらしい。全部後でホテルで聞いた話です。

王宮をぬけた後、いくつかパゴダを廻り、最後にお目当てのマンダレーヒルへ、ここは丘自体がお寺になっていて、延々と頂上への階段が続く。ここも有料らしい、正面突破を試みたが、あっさり捕まってしまった。なにしろここを登っているのはオレ一人!$3初めて取られた! とか言いつつ、がんがん登るが、なかなか頂上につかない、途中でお坊さんに道を教えてもらったりして、頂上についたのは、30分後。さすがに苦労の甲斐有り!景色っ最高!夕日っ最高!言葉にならないっ!ここなら毎日来てもいっ! 帰り道、日本語で話かけて来る2人のミャンマー人学生に会った。彼らはマンダレーヒルで、外国人に話かけて会話の練習をしているとの事。3人で話ながら、帰りがけにそのうちの一人、テテと言う青年の家で飯を食わせてもらい、彼がぜひ無料でマンダレー郊外のガイドをしてくれるというので、次の日一緒に行く事にしたのだが、、、

第 四 日 目 <マンダレー(ザガイン、アマラプラ)>

朝からマーケットを見に行った。なかなか活気がある。肉、魚、野菜、ゲテモノ、からロンジー屋、テープ屋、甘ソーナお菓子屋(本当に甘い!)、うまそーなから揚げ屋と、バリエーションは他のマーケットと一緒だが、ここはとても大きなマーケットでとても活気がある。特に気になったのが、ミャンマー軍グッズを売る店で、寝袋からピストルホルダーまで、いろいろなアーミーグッズを売っていたりする。

9時半にホテルでテテと会い、マンダレー郊外のザガイン、アマラプラ等をミニタクシー($8)で廻ることに。市内からザガインまでは結構遠く、1時間ほどガタガタ道を進む。それにしてもこのミニタクシー、サスがついてないのか、ぴょんぴょん跳ね、屋根に頭が何度もぶつかりそうになる。まさにジャンピングタクシー。

その間テテからミャンマーの事について色々聞いたので書いておきます。まずミャンマーの人は今の政府を良く思っていない。でも、あえてよい点を上げれば、税金は高いが、その中に電気等、公共料金がふくまれていて安い。また、道路、ダム等生活インフラの整備が近年すごく進んでいると。学校も教育水準が高く、だれでも高校までなら比較的スムーズに行ける。しかし大学は2年前一斉にデモを起こして、鎮圧され、今は閉鎖中。みな自費で、それぞれ希望する私立の専門学校へ通っていると。彼の趣味は音楽鑑賞で、いまミャンマーではやっている音楽はボンジョビ、ガンズ、スコーピオンズ等のアメリカンハードロックで、私はイーグルスが好きだと。古いーーーー。ミャンマーの人はだいたい夜9時に寝て、朝はなんと5時に起きるって、、おいおい農家じゃないんだから、、などなど色々話した。

そうこうしているうちに、ザガイン鉄橋を通り、ザガインのメインスポット、ザガインヒルへ。ここの景色もすばらしー。快晴だったので、遠くマンダレーヒルまでくっきり見える。この頂上には第二次世界大戦中、戦死した日本兵を祭ったパゴダがあり、今の平和がうその様だ。

降りて昼食をとり、カウンムードパゴダを見つつ、アマラプラへ向かう途中、ガイドのテテが妙な事を言い出した。彼は、私は時々こうやってガイドをするのだが、私は学生で、毎日学校の月謝を払わなければならない。だからガイドが気に入ったなら、気持ちで良いからガイド代が欲しいと、前に案内した人には$30ももらったことがあると、言い出した。うーーーん良くあるパターン! その時は本当に頭に来た。俺は彼に、そういう事は約束する前にはっきりいうべきだ。基本的に私はそういった事にお金を払うつもりはないときっぱり言った。彼も気兼ねしたのか、うるさくなくなった。

ちょっと興ざめしてしまったが、アマラプラに着き、王宮跡、ウーべインブリッジなどを見て回る。ちょうど夕刻になり、橋を引き返した。夕日に浮かび上がる橋は見事だ。地元民の、橋から釣り糸を垂れる光景は、とても絵になる。絵葉書の一枚を見ているようだ。やっと宿に戻る。テテには、ああは言ったが、気持ちばかりガイド料をあげ、もっと勉強して、まともなガイドを出来るようにしろと言った。まあ、これで私の心もすっきりしたのでよしとしよう! 夜、屋台で地元カレー(絶品! でも脂っこい!)を食った後、ドリアンアイスを食べつつ、3日前の日記をまとめて書いていたりする。
 

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