BACK
<< NEXT << TOP

 

 


【Misao's First India Report(13)】
=body check=


DATE:2001.08.11 in New Delhi
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


すべての荷物にネームタグをつけ、女性用のカーテンのついたゲートに入り無愛想な係員にボディチェックを受ける。さあ、あとは搭乗するだけ。しかし、この国ではそうはいかない。
搭乗の前に、兵士が守る戸棚に手荷物をすべて預け、荷物置き場でチェックインバゲージをもう一度チェックする。次ぎに搭乗バスの駐車場へ降りる前に、もう一度手荷物のチェックを受ける。
パキスタンとのカシミール紛争が続くこの国は、いつもテロの脅威にさらされている。独立記念日が5日後に控えていることもあり、チェックはより一層、厳しさを増す。

うんざりするような厳しいチェックを受け、これで漸くバスに乗り込めると思ったのもつかの間、なんと先に乗る人から順に、乗車口前でまたもう一度ボディチェックを受けている。

「ちょっとうんざりですね。」
相棒の言うように、これが普通なら確かにうんざりだ。しかし、この最後のボディチェックだけは訳が違った。
「まあ、安全のためやから。」
普段なら、文句タラタラの私がにっこり笑ってそういうのを相棒が不思議がるのも無理はない。文句など出るものか。チェック係の兵士は若くてハンサムでたまらなく私好みのタイプだ。彼にチェックを受けるなら、カーテンの中で裸になったって構わない。媚びた微笑みを浮かべながら順番を待つ私の隣で相棒は明らかに軽蔑のまなざしを私に向ける。

小学生くらいの小さな少年が彼に厳しいボディチェックを受けている。次ぎは私だ。緊張と期待と喜びを前身にみなぎらせ、兵士の前で両手を広げた、その時。

「Please madam(どうぞ。)」

彼はにっこり微笑みながら、ノーチェックで私をバスへと案内した。


written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

BACK << NEXT << TOP