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【Misao's First India Report(2)】

=Now I begin my India!=

DATE:2001.08.09 in New Delhi
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


道路は三車線分の幅を持ちながらも、車線は存在しない。真っ直ぐ走る事は不可能に近い。ドライバーは絶対、A級ライセンスの持ち主だ。とにかくこんな道路は見たことがない。
車とオートリクシャーの間をすり抜けて行く4人乗りのオートバイ。満杯の人で溢れた乗用車。右へ左へ、スピーディーに車線を変更して走る。
あたりは暗く、風景はよく見えない。時々、道路端に人間らしき姿が見える。あの人いったい、眠っているのか死んでいるのか。信号待ちで止まるたびに窓を叩く物売の子供達。幹線道路を抜け、数匹の牛を左手に見て、住宅街のゲートをくぐると、あたりは急に静かになった。

車を降りて少し歩く。足下は真暗でよく見えない。生ぬるい湿気を吸い込んだ臭いの中、人影と大きな話し声だけが途切れない。

闇の中、まだ私には何も見えない感じない。

夕日の中で強烈なパンチを喰らっているはずだった。しかし、いくつかの偶然が重なり、私はリングに上がって空気に慣れる時間を与えられた。
その不思議に、一人くすくす笑いながら、間近から突進してくる車を避け、デスクワークでなまった身体を大きくひねり、埃と喧噪と湿気にあふれた空気を大きく吸い込んで、

私のインドは始まった。

written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

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