【Misao's First India
Report(21)】
=Marina Beach =
DATE:2001.08.08.13
in Chennai
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)
「マリーナビーチへ連れていって下さいませんか?」
18時の寝台車までまだ少し時間がある。年配のミスターRMは午後の日差しを避けてショッピングセンターでのんびりしたそうな様子だったが、少し無理を言った。
世界で二番目に美しいと言われるマリーナビーチ。
インド人達の憩いの場、ベンガル湾のマリーナビーチ。
九十九里浜なら、車を降りたらそこが浜。アベックを冷やかしながら、青春よろしく裸足で駆け出す青い夏。女はサーファー達の肉体美にうっとり見とれ、男はビキニの群に頬を染める。当然ここでも鍛え抜かれたインディア達の肉体美にお目にかかれる事を期待しながらビーチへ向かって歩き出す。
「馬に乗りますか?」
馬を引いた客引きに囲まれた私にミスターRMが問いかける。
「大丈夫ですわ。歩けます。」
たかが浜辺を歩くくらいで馬になど乗ってたまるか。どうせあと少し歩けば波打ち際に着く。あと少し、歩けば、歩けば、歩けば、歩けば..........
「なんでこんなに遠いねん(TT)」
いったい波打ち際までどれほどの距離があるのか?いくら歩いてもたどり着かない。砂に足をとられ、腰はガタガタ。浜へ続く砂浜の両脇に立ち並ぶ屋台の一大マーケットの大声。そんな真っ赤な魚のフライ誰が食うねん?
負けてたまるか、もう少しで鍛え抜かれたインディア達の肉体美、じゃなくて、世界で二番目に美しいマリーナビーチの波打ち際にたどり着く。
見慣れぬ黄色い顔の私たちに物珍しそうに近づいてくるインド人を後目に、パンジャビドレスのストールで顔中の汗を拭い、砂で重くなったサンダルを引きずり、頭の中はインディアの裸でいっぱいにして漸くたどり着いたそこで私が目にした光景は
「なんで服着たまんま海に浸かってるねーーーん!!?」
インド人で芋洗い状態のマリーナビーチ。このくそ暑いこの国で人々は決して海では泳がない。ただ、海に浸かり波を身体全体で受け止めて、うっひょーと喜んでいる。もちろんそこに、美しい男達の肉体美はない。
「きれいな海ですね。」
何も知らない相棒は、上機嫌でミスターRMと私に話しかける。
たしかにこの海は涙が出るほど素晴らしく美しい。
written
by Lucy Misao
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