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【Misao's First India Report(22)】
=cameraman =


DATE:2001.08.08.13 in Chennai
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


「写真を撮りましょうか」

自称カメラマンの相棒は、所かまわず自慢のデジカメを取り出す癖がある。まさか、ここでそんな事はすまいと思っていたが、案の定、にこにこと笑いながら、デジカメを手に「はいチーズ」を繰り返す。
何かに臆していては、いい逃亡は出来ない。写真は撮った後で、おこられたら謝る。それが私たちのポリシーだと、日頃から口酸っぱく相棒に伝えてきたせいもある。確かに、撮す側はそれでいい。
しかし、これほどまでに撮される事が恥ずかしかった事はかってない。
私とミスターRMが波打ち際に立って、撮影用スマイルを浮かべる。その私たちを撮す為に、デジカメでピントを調節する相棒がいる。その相棒のまわりに、デジカメ画面の物珍しさで、インド人の人だかりが出来ている。並の数ではない。
その人だかりに注目されながら、ひきつった撮影用スマイルを維持する事のなんとこっぱずかしい事か!おまけに、それに追い打ちをかけるように、相棒は、

「1たす1はー?にー(^^)」

などとマヌケなかけ声をかける。

「もうそのへんでええんとちゃうか?」
さすがの私も恥ずかしさが頂点に達し、相棒にギブアップを求める。しかし、インド人に囲まれてハイになったヤツを止める事は誰にも出来ない。そのうち、インド人の人だかりの中から、
「オレを撮ってくれ!」
「ボクを撮してー!」
といいながら、ポーズを撮る男性や少年が続出する。
あきれ顔のミスターRMと私を後目に相棒は写真を撮りまくる。
調子に乗って、メモリの多くをここで使い果たし、この後の撮影に支障をきたしたのは言うまでもない。
 

written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

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