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【Misao's First India Report(25)】
=Morning seen=


DATE:2001.08.14 in Hyderabad
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


逃亡前の唯一の悩みはインド旅行にはつきものといわれる「下痢」の事だった。
不慣れな土地で、おまけに香辛料の強い食事をとっていては誰でもお腹は緩くなる。その上私はNYで便所を求めてさまよった”前科モノ”。「下痢になる」事はもちろんのこと、「我慢できずにちびる」可能性も高かった。
だからといって、その土地に出かけてしまった以上、恐れていても仕方がない。インドに着いてからは(正確には成田発の機内から)ちびったらちびった時のこと!と開き直って、水を口にし、生野菜のサンドイッチを食べ、茶店でチャイを飲み、香辛料の強い美味しい料理を食いまくっていた。
今日か明日か明後日か。
インドでの毎日は迫り来る下痢の恐怖との戦いでもあった。
しかし。

「あかん!今朝もでえへんかった!」
インドに来て4日目。朝の個室で私は便秘記録を更新していた。
窓の外ではインド人達が、線路沿いの野原にしゃがみ、青空の下で朝の野外トイレを楽しんでいる。時折、線路の間際でお尻を出している人もいる。その幸せそうな姿を見れば見るほど、自分の便秘が苦しく悔しく悲しくなってお腹を『の』の字にさすりながら、なんでアタシは下痢をしないんだ!と自分を責める。迫り来る恐怖はやがて下痢を待ちこがれる狂おしさへと変わっていった。


written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

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