【Misao's First India
Report(37)】
=In the rain=
DATE:2001.08.14
Hyderabad
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)
閉門間近の寺院は、GODに祈りを捧げにきた人々であふれかえる。
そう、やっとわかった。
ここはビルラーテンプル。インドの大金持ち、ビルラー財団がインド全土に建設している白大理石の寺院の一つ。祀られているのは LORD
VENKATESHWARA。ティルパティと同じ神である。
インド人の男性スタッフは、皆若い。エリートの青年たち。彼らが案内したのは日本の渋谷や六本木のような繁華街ではない。美しい寺院とそして美しい景色の見える場所だった。
この寺院はハイデラバッドを見渡す高台にある。ほんの少しの夜景、けれど、シンプルなそれは日本やサンフランシスコのものとはまた違って美しい。
ほどなく寺院は閉門時間を迎えた。鐘の音を聞きながら、私達はまた来た階段を下りていく。相変わらず雨はやさしく、しとしとと降り続く。
「雨やなあ。」
ショールを頭にかぶりながら言う私の横で、相棒はなぜか嬉しそうに英語で話し始める。
「俺、いいことがあるときは、だいたい雨なんですよ。しょうもない話ですけど、受験に合格したとか、何か賞を貰ったとか、随分昔の話を笑うかもしれないけど、そうなんです。」
「ふうん」
たまたま雨季にインドに来た。それだけのことだと、私は思っている。それでも単純なこの男は雨が嬉しい。ここハイデラバッドは年間を通じて降水量が少ない。だからインド人たちは雨を喜ぶ。
今夜、恵みの雨の中で共に同じ神様に祈りを捧げた。
雨季のインドに来たのはそれなりに縁あってのことかもしれない。
written
by Lucy Misao
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