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【Misao's First India Report(40)】
=Raincoat (Amagappa)==


DATE:2001.08.15 Delhi
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


昼を過ぎたころ、5時間のフライトを終えデリー空港に到着した。このあと一旦、G社のゲストハウスに戻り、夕方の便で帰国する。ハイデラバッドと同じ雨が、ここデリーにも降っている。
到着ゲートにあの運転手の姿はなかった。
「きっと雨で遅れてはんのやろ。」
インドの時間感覚になれはじめた私は思いのほかのんきに構えている。車は空港の外で待つ。雨はロータリー(果たしてそう呼ぶのか否か)の屋根を貫通して肩をぬらす。

「どないなとなるわい。」
そういってビニールの雨合羽を羽織る私を尻目に、相棒は公衆電話の列に並ぶ。ここの公衆電話は、不ぞろいなプッシュホンが三台、台の上に載っていて、電話をかけるごとに怪しげなおっさんがレシートを差し出し、その金額を支払う仕組みになっている。
デリーのゲストハウスに電話し、ハイデラバッドのG社に電話をし迎えの確認をする。なんもそこまでせんでも、と思いながら雨合羽のすそをヒラヒラさせてくるくるまわって退屈をしのぐ。
インドで雨合羽は珍しい。洋装の女性すらいるこの大都市の空港で、雨合羽を着てくるくるまわっている日本人はもっと珍しい。しかし、いまさら人目も気にならない。

一時間も待ったかどうか。
ようやくあの運転手が雨にぬれて走ってきた。

written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

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