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【Misao's First India Report(6)】

=Rival=

DATE:2001.08.10 in New Delhi
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


インド門で車を止め、商売道具を持って降りる。
筆ペン、カード、国語辞典。
去年サンフランシスコでやった大道芸、「Your name in Kani =お名前漢字で書かせてもらいます=」アルファベット表記の名前を漢字で書く、それだけの単純な芸。しかし、こちとらそれしか出来ない。

「本気でやる気ですか?」
「当然や。」

インド門に来て、それには目もくれず場所を探すために歩き出すと寄ってくる物売りそして芸人達。

コブラをカゴから出すおっさん、さるを連れたさるまわし、カタログか絵はがきを持ったニイチャン、そして飛ぶおもちゃを1ドル!と言いながら飛ばしては買え買えとまとわりつく子供達。

場所を探してインド門をくるりと一周する。そこにはさっきと同じ、マシンガンを持った兵士達。ここで商売してもし何かあったらどうすんねん?やる気満々のココロはすっかりしぼんで、ただ事なきを願う弱気な自分が顔を出す。

「どうします?やりますか?」
「中止。」

相変わらず、おもちゃを買え買えと寄ってくる子供達。きっと学校には行っていない。そして毎日、路上で観光客相手にシツコイほどの商売を繰り返す。その中で、何人かは、もっと効率のいい方法を考え出すだろう。やがて駆け引きを覚え、だんだん商売も上手くなっていくだろう。路上から小さな店を出し、少しづつ成長し、やがて、ガキの頃から全身で商売の厳しさを知った成熟した商売人になるかもしれない。

今の私は彼らの足下にも及ばない。

written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

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