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【Misao's First India Report(7)】
=Prime Minister of India=


DATE:2001.08.10 in New Delhi
REPORT&PHOTO:石谷みさお(りぶらぶりんくドットコム)


"They call me the prime Minister of India, but it would be appropriate if I were called the first servant of India."
Jawaharal. Nehru. (※)

彼が民衆に向かって意志を伝えたバルコニーの正面にはインド門が見える。今は民衆の姿はなく、美しく手入れされた英国式庭園が眼下に広がる。その景色に見とれる私に、まだまだ広いので先を急ぎましょうとインド人の青年が促し、次ぎの部屋に移る。
至る所に飾られた彼、そして家族の写真。まるでイギリス紳士のような美しい風貌、豊かな暮らし、英国での最高の教育。

独立の父、マハトマガンディーの意志を受け継いだ初代の首相ネルー。今はミュージアムとなった彼の官邸には、至るところに、彼と、彼とともに歩んだ者達の、誇りと強い意志が今なお存在する。

彼は最初のルールを作り、常に国と民衆の事を考え政治をとり続けた。それは獄中にいた数年間にも衰える事はなかった。娘インディラはその意志を継ぎ、インドの母として統治にあたるも志半ばで凶弾に倒れ、その息子ラジブもまた爆弾テロで殺された。

10億という、異なる宗教を持つ民衆を統治することの難しさ。

頼みもしないのに案内を買って出た青年は写真を一つ一つ指さしながら、丁寧に、そして熱くネルーとその一族を語る。その様子からは如何に彼らを誇りに思い、そして尊敬しているかを伺い知ることが出来る。

独立からの歴史が浅いこともある。
しかし、民衆に愛され、尊敬され、その存在を誇りに感じる事の出来る指導者の存在は、なんと大きく素晴らしい事か。

最後に彼はネルーの言葉の書かれた額を指さし
「後は彼の使っていた寝室がこの先にあります。どうぞ、ごゆっくりご覧下さい。私はここで失礼します。どうぞ素晴らしいインド旅行をなさって下さい。」
そう言って握手をし、何の報酬も求めずにどこかへ去っていった。

※印訳文
"人は私をインドで最初の首相と呼ぶ。
けれど私は、インドで最初の奉仕者と呼ばれた方が相応しい。"
ジャワハルラル・ネール
訳:りぶらぶりんく編集部P助

written by Lucy Misao
web livelovelink.com

 

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